『ノッティングヒルの恋人』。書店員ウィリアム(ヒューグラント)と女優アナ(ジュリアロバーツ)の恋。身分違いもいいとこ!みたいな夢のような話になるかと思いきや、話が進めば進むほどアナの「価値」がボコボコと落ちてく仕組みで(整形2回、彼氏いて二股、パパラッチ付き、気分不安定)全然ありがたみ感じないのが最高。
恋愛なんかバカじゃね?だけでできてるラブコメ。そう言い切っていいと思う。街角でぶつかる出会いからして「ウソつけ」だし、ベッドシーンの前に「女優の代わりに女優のお尻役だけするスタントがいる」なんて話をわざわざしてくる徹底ぶり。カメラの前をジュリアロバーツの「はずの」裸が横切るのだが「スタント……ですよね?」。考えざるをえない。
アナからもらったのは本物のシャガールだとわかってから「大事なことに気づいた」と言ってアナを追っかけるウィリアム。酒場でアナのことをヤリマンと悪口言ってる連中に文句言ってやる!と憤るのだが、実際アナは二股かけてて……。
ロマンチックなことが起ころうとすると、必ず脱臼、執拗なまでのインターラプト、そしてテーマ曲はコステロが歌う「she」か……。ぼくは笑いっぱなしで見てたんだけど、みんなこれ、なんだと思ってみるわけ?まさかロマンチックで素敵な憧れの恋愛……まさかね。